1.はじめに

 水道法(昭和32年法律第177号)第4条に基づく水質基準(以下、単に「水質基準」という。)については、昭和33年に制定されて以来、その時々の化学的知見の集積に基づき、逐次改正が行われてきました。特に、平成4年の改正においては、基準項目をそれまでの26項目から46項目へと拡大するなど、全面的な見直しが行われ、水道水質管理の強化が図られました。

 その後10年が経過した現在、臭素酸やハロゲン化酢酸など新たな消毒副生成物、クリプトスポリジウムなど耐塩素性の微生物による感染症、内分泌かく乱化学物質やダイオキシン類など新たな問題が提起され、水道水質管理の充実・強化が求められる状況になっていました。このような状況を踏まえて、平成15年5月に新しい水質基準へと改正され、平成16年4月からはこの水質基準により水道水質の管理を行っていくこととなりました。

 この改正の中で、従来一律的に適用されていた水質基準について、各水道事業者は水源の状況、原水の質、浄水処理法などの状況に応じ、一定の条件のもとで検査項目や検査頻度を自ら定めることが出来ることとなりました。こうしたことから、八竜町では検査項目や検査頻度などについて、安全性・安定性及び効率性・合理性の両面から検討を行い、本水質検査計画を作成しました。

水質検査計画は年度毎に水質の状況や町民の要望を受けて見直すとともに公表し、今後とも信頼される水道水の供給に努めていくこととします。

2.基本方針

 

(1)水質検査は、水質基準が適用される給水栓(浄水)に加えて、水源(原水)で行います。

(2)検査項目は、毎日検査及び水道法で検査が義務付けられている水質基準項目について実施します。また、水質管理目標設定項目は必要な状況が発生した場合に実施します。

(3)検査頻度は、過去の検査結果、水源の状況、浄水方法、送・配・給水の状況、資機材の使用状況、薬品の使用状況等を考慮して決定します。なお、3年に1回以上まで検査頻度を緩和することが可能な検査項目について、安全性を確認するために検査頻度を年4回とします。


3.水道事業の概要

 

 各水道事業の概要については次の表に示すとおりです。

(1)給水規模

名  称

計画給水

人 口

(人)

給水区域内

人 口

(人)

現在給水

人 口

(人)

計画一日

最大給水量

(m3/日)

計画一人一日

最大給水量

(g/日)

鵜川地区簡易水道

3,850

3,687

3,609

1,200

312

浜口地区簡易水道

2,862

3,109

2,313

1,011

622

釜谷地区簡易水道

800

641

501

263

329


(2)浄水施設

名  称

原水の

種別

浄水施設の種別

配水方式

実績一日 最大給水量

(m3/日)

実績一日 平均給水量(m3/日)

ろ過装置

滅菌

鵜川地区簡易水道

地下水

塩素処理

自然流下

1,250

787

浜口地区簡易水道

地下水

塩素処理

自然流下

900

726

釜谷地区簡易水道

地下水

塩素処理

自然流下

140

97

 

4.水源の状況並びに原水及び浄水の水質状況、検査地点

 水道の原水の状況として、原水の汚染要因及び水質管理上注目しなければならない項目を示しました。

原水の状況

名  称

原水の汚染要因

水質管理上注目すべき項目

鵜川地区簡易水道

・窒素肥料

・懸濁物質

・土壌由来の金属類

・硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素

・ナトリウム及びその化合物

・塩化物イオン

・カルシウム、マグネシウム等(硬度)

・蒸発残留物

浜口地区簡易水道

・窒素肥料

・懸濁物質

・土壌由来の金属類

・硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素

・ナトリウム及びその化合物

・マンガン及びその化合物

・塩化物イオン

・カルシウム、マグネシウム等(硬度)

・蒸発残留物

釜谷地区簡易水道

・窒素肥料

・懸濁物質

・土壌由来の金属類

・硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素

・ナトリウム及びその化合物

・マンガン及びその化合物

・塩化物イオン

・カルシウム、マグネシウム等(硬度)

・蒸発残留物

検査地点

 

地  区  名

原水・浄水

採  水  地  点

鵜  川

原  水

鵜川第3号取水井給水栓

鵜  川

浄  水

鵜川公民館内給水栓

浜  口

原  水

浜口第4号取水井給水栓

浜  口

浄  水

追泊防災資機材備蓄施設内給水栓

釜  谷

原  水

釜谷第1号取水井給水栓

釜  谷

浄  水

釜谷浄水場内給水栓


5.水質検査項目及び検査頻度

 

各水道事業の検査項目及び検査頻度は、各水道事業とも次の表のとおりに実施します。

 検査地点は原則として浄水は給水栓、原水は取水口付近とします。

 

(1)定期検査項目と検査頻度(各水道共通)

項目

No.

水質基準項目

基準値

検査頻度

設定理由等

原水

給水栓

1

一般細菌

1mlの検水で形成される集落数が100以下であること

年1回

月1回

1ヶ月に1回の検査とされている項目です。

2

大腸菌

検出されないこと

3

カドミウム及びその化合物

0.01mg/l以下

年4回

安全性を確認するために行います。※3

4

水銀及びその化合物     

0.0005mg/l以下

5

セレン及びその化合物

0.01mg/l以下

6

鉛及びその化合物

0.01mg/l以下

7

ヒ素及びその化合物

0.01mg/l以下

8

六価クロム及びその化合物

0.05mg/l以下

9

シアン化物イオン及び塩化シアン

0.01mg/l以下

年4回

概ね3ヶ月に1回の検査とされている項目です。

10

硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素  

10mg/l以下

年4回

安全性を確認するために行います。※3

11

フッ素及びその化合物    

0.8mg/l以下

12

ホウ素及びその化合物    

1mg/l以下

年4回

新規項目

13

四塩化炭素         

0.002mg/l以下

年4回

安全性を確認するために行います。※3

14

1,4-ジオキサン       

0.05mg/l以下

年4回

新規項目

15

1,1-ジクロロエチレン    

0.02mg/l以下

年4回

安全性を確認するために行います。※3

16

シス-1,2-ジクロロエチレン  

0.04mg/l以下

17

ジクロロメタン        

0.02mg/l以下

18

テトラクロロエチレン    

0.01mg/l以下

19

トリクロロエチレン     

0.03mg/l以下

20

ベンゼン           

0.01mg/l以下

21

クロロ酢酸

0.02mg/l以下

年4回

概ね3ヶ月に1回の検査とされている項目です。

22

クロロホルム

0.06mg/l以下

23

ジクロロ酢酸

0.04mg/l以下

24

ジブロモクロロメタン

0.1mg/l以下

25

臭素酸

0.01mg/l以下

26

総トリハロメタン

0.1mg/l以下

27

トリクロロ酢酸

0.2mg/l以下

28

ブロモジクロロメタン

0.03mg/l以下

29

ブロモホルム

0.09mg/l以下

30

ホルムアルデヒド

0.08mg/l以下

31

亜鉛及びその化合物

1mg/l以下

年1回

年4回

安全性を確認するために行います。※3

32

アルミニウム及びその化合物

0.2mg/l以下

年4回

新規項目

33

鉄及びその化合物

0.3mg/l以下

年4回

安全性を確認するために行います。※3

34

銅及びその化合物

1mg/l以下

35

ナトリウム及びその化合物

200mg/l以下

36

マンガン及びその化合物

0.05mg/l以下

37

塩化物イオン

200mg/l以下

月1回

1ヶ月に1回の検査とされている項目です。

38

カルシウム、マグネシウム(硬度)

300mg/l以下

年4回

安全性を確認するために行います。※3

39

蒸発残留物         

500mg/l以下

40

陰イオン界面活性剤     

0.2mg/l以下

41

非イオン界面活性剤     

0.02mg/l以下

 

年4回

新規項目

42

フェノール類         

0.005mg/l以下

年4回

安全性を確認するために行います。※3

43

有機物(全有機炭素(TOC)の量)

5mg/l以下

年1回

月1回

1ヶ月に1回の検査とされている項目です。

44

有機物等(過マンガン酸カリウム消費量)

10mg/l以下

45

pH値

5.8以上8.6以下

46

異常でないこと

47

臭気

異常でないこと

48

色度

5度以下であること

49

濁度

2度以下であること

備考  

    ※ 過去3年間の検査結果で、3年に1回の検査頻度まで省略可能な項目ですが、安全性を確認するために年4回の検査とします。

  − 原水はシアン以外の消毒副生成物については検査を行いません。

(2)毎日検査(各水道共通)

項目

No.

1日1回行う検査項目

評価

検査頻度

1

異常なし

毎日

2

濁り

異常なし

3

消毒の残留効果(残留塩素)

0.1mg/l以下

 

 

6.水質検査の方法

 

 八竜町では自ら検査を行う施設を有しておりませんので、鰹H田県分析化学センターへ検査を委託します。

水質基準項目及び水質管理目標設定項目の検査方法は国が定めた水道水の検査方法(「水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法」)によって実施します。なお、その他の項目の検査方法は、上水試験方法(日本水道協会)等によって実施します。

 

 

7.臨時の水質検査

 

 臨時の水質検査については、供給する水が以下の理由により水質基準に適合しない恐れがあるときに実施します。

  @各水質検査結果が大きく変動したとき

  A水源の水質が著しく悪化したとき

  B水源に異常があったとき

  C水源付近、給水区域及びその周辺で感染症等が流行しているとき

  D浄水過程に異常があったとき

  E送・配水管工事その他で水道施設が著しく影響を受けたとき又はその恐れがあるとき

  F大規模地震発生により水道施設が著しく影響を受けたとき又はその恐れがあるとき

  Gその他特に必要があると認められるとき

 

 

8.水質検査計画及び検査結果の公表の方法

 

公表した水質検査計画に基づき水質検査を行い、その結果はホームページ上に掲載し、併せて役場で閲覧できるようにします。

 


9.その他

 

(1)水質検査結果の評価

  水質検査結果の評価については、水質基準適合判定をしていきます。

水質基準は、供給される水が満たすべき水質上の要件であり、水質検査の結果が水質基準を超えないよう水質管理に万全を期しますが、水質基準を超える恐れがある場合又は異常値を示した場合には、直ちに原因究明を行い、水質基準を満たす水質を確保するために必要な対策を講じていきます。なお、水質検査の結果に異常があると認められる場合には、直ちに再検査を実施するものとします。

 

(2)水質検査計画の見直し

  水質検査計画の見直しについては、検査結果、水源状況、加えて検査の委託先である分析機関、秋田県等各種関係機関との協議事項についても反映させるものとします。さらに、町民の意見・要望等を反映させた最適な検査計画策定に努めていきます。

 

(3)水質検査の精度と信頼性保証

  信頼性の高い水質検査のために、検査の委託先である分析機関の精度管理体制を厳しく審査します。なお、分析機関が実施する外部及び内部精度管理は以下のとおりです。

  ・外部精度管理(外部の団体が分析機関に対して行う検査精度のチェック)

    厚生労働省が実施するもの〈年1回〉

    全国給水衛生協会が実施するもの〈年1回〉

    秋田県が実施するもの〈年1回〉

  ・内部精度管理(分析機関が内部で自主的に行う検査精度のチェック)

    自主検査〈年1回〉

 

(4)関係者との連携

 ア 行政機関との連携

   秋田県生活環境文化部生活衛生課、保健所等、関連行政機関との連絡を密にし、法令の改正、通知等への対応を迅速に行えるようにします。

 イ 近隣市町村との連携

   水質管理についての情報交換、非常時の相互協力体制等について一層充実させていきます。

 ウ 水質検査の委託先である分析機関との連携

   水質検査に関する専門知識を有する分析機関から得るものは大きく、日常的な連携のみならず、非常時の検査等に即時対応できるような体制を整えていきます。