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7月 ~「ここまでお進み下さい」~

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森竹歌舞伎

が家では敷地の一部を隣接する郵便局の職員用駐車場として開放しています。

 台数は10台ほど。数が多いので、駐車の仕方により時には自分の車の出入りに難渋することもありました。以前は口頭でお願いをしたこともありましたが、一時は良くてもまた元に戻ってしまいます。

 それで、思案した結果

 「ここまでお進み下さい」

 という建て看板を設置し、車の置き場所を誘導することにしました。結果は上々、それ以降はスムーズになりました。直接的な言い方よりも言い方を変えて効果があった例です。

 
 同じようなものに
婉曲話法というのがあります。間接話法とも言いますが、遠回しな言い方はかつては日本人の得意とするところでした。この話し方は相手が言外の意味を感じ取ってくれるという前提があって初めて成立する話し方です。
ただ、最近では婉曲話法よりもはっきりとした物言いの方に軍配が上がるようです。特に、最近の若い人達には言外の意味を汲み取ることを期待することはいささか無理なような気がします。

 このような変化は私達を取り巻く人間関係の変化によるものだろうと思います。昔ながらの“ムラ社会の人間関係”から権利と義務を基本とする“契約社会の人間関係”へと変わった結果でしょうか。または自分のことで精一杯で、他人のことを斟酌する余裕が無くなった時代のせいなのかも知れません。
 さらに土地紛争などの財産が絡む場合はより深刻です。隣家との境界争いは昔からありましたが、最近ではそこに弁護士などが介入してくることも多くなったと聞きます。昔は間に入って双方に譲歩を促す“仲介の労”をとるような大物がいたものですが、今は曖昧にせず白黒をはっきりつける、そんな考え方が地域社会の中でも一般的になりつつあります。

 
 このように地域社会が変わり、用語として適切か分かりませんが、“即物的”になってきた結果、物事を進めやすくなってきた部分がある反面、却って情緒的な部分に期待することが困難にもなりました。

 
 例えば地域の中で増えつつある空き家の場合、家主さんの情緒に訴えて撤去に至るという事例は極めて少なく、まず所有権者を特定することから始めなければなりません。解体という段階に至るまでにはさらに膨大な時間を要します。
いずれにしても、この地域の中で共に暮らしていかなければならないのですから譲るべきは譲りながら気持ちよく生活できるようルールとマナーを守りたいものです。

 今月もお元気でお過ごし下さい。