現在地: Home 町長室 平成27年度 想 3月 「友川カズキ独白録」

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3月 「友川カズキ独白録」

 

fin

  三種町川尻出身の友川カズキさん、歌手・画家・詩人であり、小・中学校の3学年先輩でもあるが、この度白水社から表題の本を出版された。   
  白水社といえば創業者福岡易之助は秋田県出身で東京帝国大学仏文科卒。フランス語関係では定評のある老舗出版社である。また、『ライ麦畑でつかまえて』、『チボー家の人々』、『にんじん』などのロングセラーも持つ。

 小中の同級生に友川さんの弟の覚がいた。第五章に「おとうと」のことを書いた部分がある。小6の時、覚が草刈り鎌でアキレス腱を切り、破傷風になってしばらく学校を休んだことがあった。その後足を少し引きずるようになったが、その経緯がようやく理解できた。

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 さて、彼は言う「私、ひとりでなければ何にもできないと思っているんです。」そして、「 〝ひとりである?ということが全ての起点であり、基準であり、全部である訳なんです。」と。彼にとって群れたり、簡単に他人と肩を組んだり、握手をしたりはしてはいけないこと。〝ひとりでいること?が自我としっかり向き合える環境であると言う。そして、「自己」をしっかり意識するにはしっかりとした「他者」が必要で、最初に出会ったのが図書室の掃除当番の時、たまたま机の上に読みかけのまま開いて置いてあった詩集の作者「中原中也」だった。

 〝ひとりであること?の反対の極にあるものを〝島国根性?と言っている。「これは見えないシステムなんですよ。度し難く強固で、度し難く狡猾な構造。田舎に行けば行くほど浮き彫りになってくる。妬ねたみとチクリ。 ムラ社会、村八分の残滓 。誰しもが牽制し合っている。これって、劣等感と欠乏感と表裏一体なんでしょうけれどね。」と彼は言う。そして、この腐った根性には抗わざるを得なくなると断言する。島国根性に対峙するには〝強いひとり?になるより外に方法がなく、〝強く?なるためには「共感」よりも「違和感」、「同じ」よりも「違う」の方が大事であり、「ひとりで戦えよ、ひとりで叫べよ」と常に思って見ている。

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 第四章の〈牙と毒〉のところが一番好きである。「表現者は牙と毒があってナンボだと思う。毒は決して洗い流しちゃダメなんだ。牙は研とぎつづけなければダメなんだ。それは血の気、色気と言い換えてもいい。」友川ワールド独特の鳥肌が立つような言葉だ。

 その他、本書にはバスケのこと、加藤先生のこと。作家の中上健次氏、映画監督の大島渚氏、歌手のちあきなおみさん、俳優のたこ八郎さん、歌手・俳優の三上寛さんなど幅広い交友関係などユーモラスに語られている。また、「秋田の天気は雪か雨か槍」ではテレビ
の天気予報で無意識のうちに秋田のお天気を毎日チェックしていることを〝告白?している。
 読了後、清々しい爽快感があった。それは彼の発する言葉に相通じるものを感じたからだ。3月20日には秋田市でライブも予定されている。是非、興味のある方は一読を。
 皆様、今月もどうかお元気でお過ごし下さい。